たまに密着リアルドキュメント特命サラリーマン筋太郎 たまに密着リアルドキュメント特命サラリーマン筋太郎

「決起大会で全国のパイセンにご挨拶」

任命式から数時間後。
特命社員となった玉袋に、さっそく最初の任務がやってきた。


「株式会社エクシング 直販営業部 決起大会」での“顔見せ”である。


決起大会は、全国各地の営業責任者が一堂に集まって行う重要会議。
ここでのご挨拶が 特命社員としての“ファーストミッション”だ。


これまで幾多のステージに立ってきた玉袋だが、芸人として客前に立つのと新入社員として先輩方を前にするのでは勝手が違う。


任命された役割の重みをだんだんと実感…


会議の終盤、舞台袖で待機していた玉袋の名前が呼ばれた。
いよいよ、初仕事。
話す内容は、出たとこ勝負。アドリブで意気込みを語るのみ。


いざ登壇すると、目前には100名を超えるスーツ姿の諸先輩方。
皆さんの表情に笑顔はない。仕事中だから当然だ。


深々と頭を下げ、
「お世話になります」
「ビシビシやってください」
「よろしくお願い申し上げます」

いつもの軽妙なトークは影を潜め、緊張感みなぎる「入社挨拶」となった。



挨拶を終えると、続いて開かれる懇親会にも参加することに。
乾杯のビールで乾いた喉を潤すが、飲みっぷりにいつもの豪快さはない。
新入社員だからダメだ、舐める程度にしなければ。。。
さすがの玉袋も、この日ばかりは自制心が働いた。



乾杯後は、上司に連れられて各テーブルへの挨拶回り。
北は北海道から南は沖縄まで、まさに日本全国から集結していた。


配属先の「タスクフォースG(グループ)」の責任者にもご挨拶。
この部署で日本全国を飛び回り、営業スキルを叩き込まれる。


親子ほど年齢の離れたメンバーと行動を共にするらしい…


2時間みっちり、全てのテーブルを回って懇親会も無事終了。
これまでに味わったことのない緊張感で心身ともにどっと疲れた。
と同時に「特命サラリーマン」としての自覚も芽生え始めていた。

カラオケは老若男女が楽しめる娯楽・エンターテイメントだ。
歌えば皆が笑顔になる、夢のマシーン。
それを広める仕事は、誇らしいことだと思う。

全国のパイセンが集まる場に呼ばれて柄にもなく緊張したけれど、それ以上にワクワクしてきた。
「皆さんと一緒に仕事をさせてもらいたい!」
心からそう思った。




初仕事を終えた玉袋は、ひとり祝杯をあげるため飲み屋街へ向かった。

(つづく)